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自分を好きになるには、どうすれば良いの?

自分を好きになるには、どうすれば良いの?

心理相談のサイトなどを見ていると、よく「自分が好きになれません」といった相談が寄せられているのを見かけます。
そして、その相談に対する回答は、「自己肯定感を高めましょう」といった回答がなされています。

確かに、回答としてはそうなんですが。
それでは「自己肯定感」は、どうすれば高めることが出来るのでしょうか?
そして、「自分が好きになる」ということは、いったいどんなことでしょうか?

「自分を好きになる」という言葉で思い出すのは、以前ヒットした映画「アナと雪の女王」の中の、「レット イット ゴー ありのままで」という歌の歌詞です。
あの映画の中でヒロインのエルサは、この歌を歌いながら自分が持っている超能力を発揮して、氷の城(自分の住処)を作っていました。
エルサにとって、何でも凍らせてしまうという自分の能力は危険だと思われていて、それを封じられていました。しかしそれを解放することによって、「自分らしさ」を取り戻したというのが、あのシーンの趣旨だったのだと思います。

しかし裏を返すと、「あんな凄い能力」を発揮できることが言わば自己実現であって、「あのくらいのことが出来ないと、自分が好きになれないのではないか?」と思えてしまいます。
つまり、「本当に凄い、素晴らしい自分」が「好きになる」ことの出来る「自分」であって、凄くもなんともない「ただの自分」は、好きになるには値しない「自分」なのではないかというわけですね。
ただ、そう思っている限り、どれくらい頑張っても「好きになれる自分」にたどり着くことは出来ません。
しかし、そんなに凄い目標にたどり着かなくても、自分の好きになる事は出来ます。

例があまりに荒唐無稽なので、もっと現実的な話にしてみます。
例えば、「好きになれない自分」とは、どんな自分でしょうか?

それは、例えば・・・。
期日までに、仕事を終わらせることが出来ない。
そもそも、仕事を片付けるためのスケジュールを立てることが出来ない。
やり出したことを、最後までやり通すことが出来ない。すぐ、他のことに気を取られてしまう。

または・・・。
自分の言いたいことを、きちんと相手に伝えることが出来ない。
言いたいことが言えなくて、もやもやしてしまう。
相手の話を、きちんと聴くことが出来ない。
相手が望んでいない返事をしてしまって、気まずい思いをしてしまう。
相手が言ったことを気にしすぎてしまって、自己嫌悪に陥ってしまう、等々。

抱えている問題は人それぞれではありますが、ほぼ共通している部分があります。

それは、「現実の自分が、理想としている『自分』と、かけ離れてしまっている」ということです。

言ってみれば、その「理想としている自分」が「好きになれる自分」ということになります。
しかし、その「理想」が高ければ高いほど、到達することが難しくなってしまいます。

それでは、何故理想が高くなってしまうのでしょうか?
それは、「完璧」を求めてしまうからです。

例えば、「やり出したことを、最後までやり通すことが出来ない」という悩みならば、その「最後」とは何処なのか考え直すことによって、到達点を変えることが出来ます。
到達点を変えることによって、問題の難易度を低くすることも出来ます。

最初から「100%」を目指してしまうと、難易度はとても高くなってしまいます。
その様な目標をクリアすることは最初から難しくなってしまうので、結局「出来なかった」という思いだけが残ってしまいます。

しかし、もっと低い完成度を目標にしておけば、その目標をクリアすることは、相対的に簡単になります。
そして、その目標をクリアできたという、達成感を感じることが出来ます。
それこそ、たとえ1%ずつでも、その1%を積み上げていくことで、最終的に目標をクリアすることが出来ます。
そして、そういう自分を「好きになる」ことにも、つながります。

しかし、ここで問題が出てきます。
それは、「理想を下げる」ことを良しと出来るか? つまり「1%」を目標として認める事が出来るかということです。
もともと完璧を求めていたのに、完璧を捨てることを、自分で許すことが出来るかということですね。

ここで、ある意味「折り合いをつける」ことが必要になってきます。
物事すべて、「完璧」ではありません。なにがしかの「減点」は、出てきます。
その「減点」を差し引いた「現実」と、折り合いをつける必要が出てきます。
言わば、この現実との折り合いをつけることが、「自分を許す」ということです。

この「自分を許す」とは、決して自分を甘やかすと言う事ではありません。
理想の自分に自分を近づけるために、現実の自分を受け入れて。「理想との差を埋める方策」を、練るためのものです。
「自分を許す」とは現実の自分を「明らかにする」、つまり「明らめる(諦める)」ことです。
「明らめる」からこそ、次の手段を執ることが出来るのです。

つまり、「自分を好きになる」ためには、「自分を許す」ことが必要です。

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